【冠詞を極める】種類を表すための冠詞編
今回も英語学習者の定番落とし穴、基本的な冠詞の使い方を学びます。日本語にはない定義なのでなかなか身につかないのではないでしょうか。
「私はリンゴが好きだ」と言いたい時は
(A) I like an apple.
(B) I like apples.
どちらが適当でしょう?
答え
ついつい言ってしまいそうな(A) I like an apple.は、
私は一個のリンゴが好きだ。
これだと「リンゴは一個に限るね〜」みたいな意味になり、変な感じなのがわかりますよね。
「私はリンゴが好きだ」といいたい場合は、リンゴという種類全体を指すことが一般的です。
そして一般的な会話において、名詞の種類を表す場合、英語では通常複数形を用います。
したがって「私はリンゴが好きだ」は、
(B) I like apples.
が適当な表現となります。
同様に「経済新聞は読むのが難しい」(経済新聞という種類)は
Financial newspapers are difficult to read.
「私は蛇が嫌いだ」(蛇という種類)は
I hate snakes.
となります。
また若干硬い表現にはなりますが、単数名詞にtheを付けて種類を表すこともあります。
学校で「楽器にはtheを付ける」と習った覚えはないでしょうか。
私はピアノを弾きます。(ピアノという種類)
I play the piano.
「私は(趣味で)ピアノを弾きます」という場合、どのピアノでも良いので「ピアノというもの」という種類を表します。
pianosという複数形でないのは、一度に複数のピアノを弾くことはできないからです。
ただ「楽器には必ず種類を表すためのtheを付ける」とは覚えないでください。
一般的に
What is your hobby?
あなたの趣味は何ですか?
I play the piano.
私はピアノを弾きます。
という場合のtheはピアノという種類を表すためのものですが、
I bought a piano yesterday. And I played the piano this morning.
私は昨日(一台の)ピアノを買った。そして私は今朝そのピアノを弾いた。
この時のtheは文脈の中で「私が昨日買ったピアノ」を限定するために使われています。
このように楽器がbookやappleなどの普通名詞と同じように扱われることは頻繁にあります。
何事も決まりとして覚えるのではなく、その理由を理解して使いこなすことが大切です。
by 各務 乙彦