【できる?できない?】can’tとdon’tの使い分け
can’tとdon’t。両方とも否定文を作るときに使用される定番ワードですね。
でもこれらの使い分けを適切に行えていますか?どちらを使うかでニュアンスが大きく変わってくるのですよ。
それでは問題です。
道で外国人に急に英語で喋りかけてこられました。
この時伝える「私は英語を話しません」はどちらが適切でしょう?
① I can’t speak English.
② I don’t speak English.
speak English / 英語を話す
それではspeak Englishを使って2つの否定文を作ってみましょう。
can't
can’tは「~ができない」の意味です。能力が不足しているか、事情や環境により、動作が実行できない場合に使用されます。
I can’t speak English.
私は英語を話しません。
(私は英語を話す能力がない)
don't
don’tは「~をしない」の意味です。能力があったとしても、自分の意思により、アクションを行わない時に使用されます。
I don’t speak English.
私は英語を話しません。
(私は英語を話す能力はあるが、何らかの理由で今は話さない)
実は多くの日本人の場合、流暢ではなくとも少しは英語を話すことができるので I don’t speak English.を使うのが適切です。
I can’t speak English.は英語ですから、英語を話す能力がないってことをちゃんと英語で伝えられてる矛盾が起こります。
swim / 泳ぐ
構文をシンプルにして例をみてみます。
swim のようなシンプルな動詞だと、ニュアンスの違いがはっきりします。
can't
I can’t swim.
私は泳げない。
(私は泳ぐ能力がない)
don't
I don’t swim.
私は泳がない。
(私は泳ぐ能力はあるが、今は泳がない)
understand
最後にもう一つフレーズをみてみましょう。
誰かが何かを説明して、その内容が理解できないとき、don'tかcan'tのどちらを使えばいいでしょうか?
can't
Sorry, I can’t understand it.
私はそれを理解できません。
can'tの場合は自分にそれを理解する能力がないことを意味します。
例えば難しい数学が理解できないような場面にこれが当てはまります。
don't
Sorry, I don’t understand it.
私はそれを理解しません。
直訳では変な感じの日本語になりますが、日常でもっともよく使われるのがこの表現です。
例えば、相手の説明が速すぎるなど、わかりやすく話し直してほしい時にこの表現を使います。
もしこの時に、I can’t understand it.と言ってしまうと「自分にはそれを理解する能力がない」と伝わってしまいますから、相手は説明することをやめてしまうかもしれませんよ。