文化的背景別コミュニケーション

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私たち日本人はミーティングなどで西洋人と接すると違和感を覚えることが多々あります。

その違和感の原因の一つがコミュニケーションにおける「ソクラテス型」と「孔子型」の違いです。

この違いを知ることによって、様々な場面でのしっかりした対応が可能になります。

ソクラテス型コミュニケーション:ギリシャの哲人ソクラテスが弟子との問答を通じてその思想を深めていったように、双方向かつ対話型のコミュニケーションを重視

そのため立場が下の者であっても積極的に自分の考えを表明することがよしとされ、理にかなっていれば異論・反論も歓迎されます。

会議などの出席者は皆、発言の機会が欲しいと考え、逆に会議に出席しても何も発言しなければその参加者は価値がないとみなされてしまいます。

そのため一方的に情報を流し込むだけの会議を行うと反発が生じるのです。

孔子型コミュニケーション:孔子が弟子たちを相手に講釈をしたように、比較的一方向のコミュニケーションが特徴

話し手がその場の主導権を握り、聞き手からの反論はあまり好まれません。

会議においては、立場が下の者は上の者の話をよく聞くことをもとめられます。

ソクラテス型、孔子型というネーミングからわかる通り、このコミュニケーションスタイルの違いは西洋と東洋の文化的な違いに起因しています。

一般に欧米諸国ではソクラテス型アジア諸国は孔子型のスタイルに近くなる傾向にあります。

例えばアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスといった国々はソクラテス型の傾向が強く、中でもフランスは最もその傾向が強いと言われています。

一方、日本、タイ、ベトナムといったアジア諸国は孔子型です。

但し、その中でも程度の差があり、韓国は儒教の影響で日本以上に孔子型の特徴が強い一方、孔子の母国である中国では日本ほどその傾向は強くありません。

もちろん時代が変われば、それぞれの国の特徴も変わってくるでしょう。

グローバルビジネスの観点から、孔子型の国々はすこしずつソクラテス型に近づいているのかもしれません。

あるいは、西洋的な思想に傾きすぎたという反省から、孔子型が見直されていることもあるかもしれません。

いずれにしても、このコミュニケーションの物差しを知っておくことは、自分を知り相手を知ることにつながり、きっとコミュニケーションを円滑に進めるための一助になることでしょう。

by 各務 乙彦