【和製英語にご注意】ベビーカー編
カタカナ英語(和製英語)には、英語の本来の意味とまったく異なった意味で使われているものが多くあります。
その典型的な1つが、日本で「乳母車」という意味で多用されている「ベビーカー」です。
ネイティブスピーカーに“baby car”と聞いてどんなイメージを持つのかと質問すると、
遊園地にあるような子供用の小さな車が町の中を走っているイメージだそうです。
想像して思わず微笑んでしまう感覚ですね。
「乳母車」に相当する英単語はいくつかあります。
“stroller”
“pram”
“ baby buggy”
“ baby carriage”
米国ではstroller”がもっとも一般的に使われるようですが、
stroll:ブラブラ歩く/散歩する
という動詞なので“赤ちゃんを乗せて散歩するもの”が原意でしょう。
また、英国では“pram”がもっともよく使われるようですが、おそらくこれも
perambulate:歩き回る
という動詞から派生したのでしょう。
個人的には“ baby carriage”がとてもしっくりきます。
先日の都知事選挙のときに小池百合子候補が選挙演説で
“ baby buggy”という単語を使っていました。
彼女は英語が堪能だと聞いていますが、その辺にも現れるのですね。
カタカナ英語が日本語の中で役に立つことはとても良いことですが、
それを英語として使用すると誤解を招く、
あるいは理解されないことがあるということは知っていたほうが良いかもしれませんね。
by 各務 乙彦