【時制の一致を一発理解】図解で学ぶ時制の平行移動
私は、時制の一致という文法用語を時制の平行移動と呼びたいのです。
なぜか?今回は例文に図解を使いしながらわかりやすく解説します。
前提条件
前提条件として時制の一致は基本的に目的語(O)に名詞節が入ったときに起こります。
名詞節とはS(主語)+V(動詞)の形式を持つ2語以上のまとまりで、それが1つのカタマリとして名詞のはたらきをします。
時制の一致の定義は主節の動詞が現在形から過去形に移動したとき、名詞節の動詞も平行移動することです。
例文①
I know that he will be busy.
私は彼が忙しいだろうと知っている。
I knew that he would be busy.
私は彼が忙しいだろうと知っていた。
ここでwillが現在??と思われる方がいらっしゃると思います。
学校でwillは単純未来を表現できる未来形の助動詞だと習いますが、動詞・助動詞の未来形活用というものは存在しません。
will助動詞の本来の意味は主語の意思を表すことで、単語自体は現在形の助動詞として区分されています。
今回の例文のケースでは主語が三人称(he,she)なので、「相手が目の前にいない状態で、 相手の意思を話者が推量する」という意味を持もちます。
他にも例文をみてみましょう。
例文②
I know that he is busy.
私は彼が忙しいと知っている。
I knew that he was busy.
私は彼が忙しいと知っていた。
例文③
I know that he was busy.
私は彼が忙しかったと知っている。
I knew that he had been busy.
私は彼が忙しかったと知っていた。
ここでのhad beenは時制の一致によって生じた大過去です。
過去完了ではないことに注意してください。
これらの例でわかるように、日本語には時制の一致が起こっていません。
これが混乱の原因になりますが、英語ではこの時制の一致を意識するようにして下さい。
by 各務 乙彦